フランチャイズの現状

現在、数多くの業態、業種でフランチャイズが導入されており、「街をあるけばフランチャイズにあたる。」と言っても全く大げさではありません。まさに、”いたるところに”フランチャイズのお店はあります。以下に有名どころのフランチャイズチェーンを列挙してみます。

フランチャイズチェーンの数と総店舗
及び売上高推移
(日本フランチャイズチェーン協会調べ)
チェーン数店舗数売上高
2002年1,065217,667店17兆4885億円
2003年1,074220,710店17兆8688億円
2004年1,088225,957店18兆7223億円

セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、サークルK、サンクス、デイリーヤマザキ、ミニストップ、am/pm、不二家、タカラブネ、スイートガーデン、珈琲館、サンマルク、ドトールコーヒー、SUBWAY、吉野家、はなまるうどん、松屋、大吉、八剣伝、ほっかほっか亭、かまどや、coco壱番屋、ペッパーランチ、イタリアントマト、31アイスクリーム、マクドナルド、モスバーガー、ミスタードーナツ、ケンタッキーフライドチキン、ダスキン、白洋舎、明光義塾、関塾、京進、TUTAYA、ブックオフ、ガリバー・・・


まだまだとてもここでは列挙しきれないほど、それこそ星の数ほどのフランチャイズチェーンがあり、それぞれに加盟店が存在しています。
フランチャイズが日本に登場したのが1970年ごろ。たかだか30〜40年の間に、これだけ多くのフランチャイズが普及したのは、本部、加盟店双方にとって、メリットがあると判断された結果といえます。
本部側は、加盟希望者の資金と人材を活用することで事業の一気拡大ができますし、加盟店側は一から事業を立ち上げる手間とリスクを、本部のノウハウを活用することで軽減することが可能となります。
例えば、ヤマイエが個人で『ヤマイエ商店』を開業するのと、『セブンイレブン○○店』を開業するのとでは、同じ開業でも、その手間とリスクに雲泥の差があるということです。

ある意味、『流行って当然のビジネス形態』ともいえるのかもしれません。

しかし、問題も数多く出てきています。
事前の売上予測と実際の売上額があまりにも違いすぎる。(オーナーより)
これは裁判などでも度々問題になってきましたので、最近では、どのフランチャイズ本部の売上予測資料を見ても、『これはあくまで推測であり、実際の売上を保証するものではありません。』といった文言が入れられています。
10年以上前の話ですが、とあるコンビニ本部では、開発マンが、出店候補地の前で通行量のカウントを15分程度しただけで一日の通行量を推計し、それを元に売上予測を立てていました。
(そんなんでいいの?)と思い、さらに突っ込んで聞いてみると、実際はもっと大雑把で、開発マンやSV、さらにはその上司たちのカンで売上ラインを予測し、それに合わせるために店前通行量を逆算するなどのやり方をしていたようです。どうせ、カンによる売上予測数値に合わせていきますから、店前通行量なんかは加盟説明会の時以外、あまり重要な意味はなかったようです。
最近ではこの辺のところも大きく改善され、大規模な予測システムを導入していたり、逆に地道に足で歩いて商圏調査をしてみたりと、精度は向上しているといえますが、それでもこればかりはやってみないとわからない部分が大きく、過度の信頼は禁物です。そもそも、多額の投資をして、自分が商売しようとしている土地であれば、自分自身でも商圏調査するべきです。それすらしないで、本部の予測がどうのこうのと言うのはちょっと違うのではないかと思います。


労働環境が事前の話とは違いすぎる。(オーナーより)
これは本部とオーナーの間で何かトラブルが発生したときに、報道などではよく聞く話ですが、私の実感としては、あまり聞く話ではありません。『自分で決めた道だから、このくらいの覚悟はできている』といった感じでタカをくくるパターンが普通だと思います。実際、『自分の店なんだから、長時間労働も端から見るほどは苦にはなってない』という意見も何度も聞きました。
しかし、過度の長時間労働により体調を壊したり、命を落としたりという話も聞かないわけではありません。自分の体ですから、体調的にあぶないときは、金を惜しまず本部の人的応援を頼むか、人材派遣に頼るかなどの手を考える必要があります。場合によっては近隣店舗のアルバイトさんを借りることができるケースもあります。


本部ノウハウ通りにやっても結果が出ない。(オーナーより)
この問題は実は結構深刻です。
まず、オーナーサイドの問題から言えば、本部から言われたことを機械的にこなしただけで『本部の言うとおりにやったのに・・・』というケースが多々あります。もちろん、本部の伝え方にも原因はあるかもしれませんが、やはり、自店の環境に合わせた創意工夫が絶対に必要です。
本部から出てくるノウハウというのは、売り上げアップのための『アイデアの種』という認識を持つべきだと思います。その種を見事に育て上げて大きな実りを得るか、途中で枯らして骨折り損となるかは実はオーナー次第です。依存心の強いオーナーほど、結果が出にくい傾向があるように思います。
次に本部サイドの問題です。本部が蓄積しているノウハウというのは、実はいろいろと例外的要素が絡んでいる場合が少なくありません。例えば、コンビニの場合でいえば、月間に100万円を超えるような商品廃棄を出し続け、人員も昼〜夜まで常時4〜5人、夜勤でも常時3人という、加盟店ではよほどの売り上げがないと不可能な経費の使い方をしている直営店での成功事例が加盟店に流されたりします。これは、その成功事例を導き出すためのベースの部分が違い過ぎるということもあり、加盟店で実施してもどれだけ成果が出るか未知数なのです。にもかかわらず、SVによっては『直営で結果が出たやり方なんだからここでも成果が出ないとおかしい。』と平気で言ってくる場合があります。
例え一日で弁当を1000個売り上げた成功事例であっても、廃棄が同様に1000個も出ているのであればノウハウとはいえません。しかし、現実には、1000個の廃棄には触れることなく1000個の販売実績だけを強調した成功事例をもっともらしい理屈をつけて加盟店に落とし込んでいるケースが存在します。
成功要因の主要な部分を排除したノウハウと、その表面だけを見て機械的に実行する加盟店。こういう場合に成果など上がるはずがないのです。


当てに出来ない既存店事例ばかりを吹き込まれた。(オーナーより)
既述のコンビニ直営店の事例も一例ですが、よくある話としては、同じ加盟店の事例を持ち出すケースです。
コンビニで例えれば、日販100万円の店の事例を持ち出し、夢のある話を聞かせ、次に日販25万円の店の事例を持ち出し『それでもやっていけてますよ。』という。希望者は基本的に前向きに聞いているわけですから、やめる要素よりも始める要素の方ばかり頭に残っていきます。
しかし、コンビニで本当に大変な思いをしているのは、その中間である、30万円前半〜45万円くらいの日販の店です。このあたりの店は経費的にもきつく、オーナー夫婦はなかなか休めませんし、廃棄もちょっと油断するとあっという間に利益を食いつぶします。しかも、このラインの売り上げの店はなかなか進退の判断がしにくく、真綿で首を絞めるようにオーナーの体力ややる気を奪っていきます。精神的にも、肉体的にも、一番苦しいレベルなのです。
既存店の事例を聞くのは、日販のボリュームゾーン(もっとも多い日販レベル)に該当する店のことを聞くのが一番参考になるはずです。


事前に聞いていたより経費がかかる。(オーナーより)
以前、担当していたオーナーがそうだったのですが、事前に『開業には総額でいくらかかるのか?』と開発マンに確認していたにもかかわらず、実際にオープンしてみたら100万単位で事業資金の追加が必要だったという話です。ちなみにヤマイエの担当したオーナーは、開店時の商品代金の不足分(本部自動融資分)の話を聞いておらず、急遽200万円程度の事業資金調達に走り回ったそうです。
こういった話はコンビニに限らずよくある話で、例えば、サービス業のフランチャイズなんかは契約期間が1年とか2年とかの短期に設定されていますが、その契約の更新ごとにウン十万円とか、ウン百万円単位の更新料が必要だとか、営業上絶対に必要なツールに継続的な費用がかかるだとか、本部サイドの言葉が足りないのか確信犯なのかわからないような事例が結構あります。
一方、加盟者側の認識不足という面があるのも否めません。通常、開業するには所定の開業費用+αがあるのが常識です。とあるオーナーはその+αのことを『目クラ銭』と言ってましたが、まさに事前に認識はしてないが初めてみたら必要だっという費用のことを指します。この目クラ銭は必ず発生するものとの認識が必要で、50万〜100万円は用意しておくべきでしょう。


本部への依存心が強い(本部より)。
これは、コンビニのフランチャイズに多いのではないかと思います。このサイトのいたるところでも書いてますが、商品1個、マット1枚、スタッフ1人に至るまでコンビニ本部はチェック可能な状況を作り上げています。そして、その、『全てを把握してますよ。』といった体制が、オーナーの心に依存心を芽生えさせている面が否めないのではないでしょうか。
また、これは一般的なフランチャイズについても言えることですが、フランチャイズオーナー募集の宣伝文句も少なからず影響しているかもしれません。広告文の中には、
『本部が万全のバックアップ!素人でも問題ありません!』
というような文言が乱舞しています。そして、それを見て加盟したオーナーの中には、『私は何もわからない』『何もできない』『だから本部でお願いできない?』といった論理で本部を頼り切っている人が現にいます。
しかし、基本的には、事業を推進していくのはオーナー以外ありえず、本部はフランチャイズパッケージに則って、道案内やフォローをしているに過ぎません。
本部の力量×オーナーの努力=成功の度合いです。極端な話、どちらかがゼロなら、成功もないということです。


フランチャイズという枠組みを無視する。(本部より)
これは依存心とは対極にあるパターンです。
フランチャイズは、本部が用意するフランチャイズパッケージ という枠組みの中での事業です。これはフランチャイズで開業する際の大前提であり、どんなに売上不振であっても、その枠組みを無視して自由にやってもいいですよという本部はおそらくありません。そういう意味ではリスクともいえるでしょう。
フランチャイズパッケージの中にないことをどうしてもやりたいなら、そのフランチャイズの枠組みから一旦出てから実行に移すべきです。しかし、時には、『生活がかかってるんだ!ガタガタ文句いうんじゃない!』と言って突っ走るケースがたまにあります。

=>事例はコチラ

本部が用意した事業の基本インフラを利用するだけしておいて、ルールやモラルは無視というのでは虫が良すぎます。

フランチャイズは、本部が敷いたレールに加盟店が乗っかることで展開されるビジネスです。加盟店は乗客から運賃をもらい、本部にレールの使用料を支払うことで成り立っているのです。程度の強弱はあるにせよ、どの業界のフランチャイズでも、この基本構造は変わりません。

どこにレールを敷き、どのように走るのかは本部が決めなくてはなりません。顧客や加盟店のことを想定しながら、注意深く、ダイタンに・・・。それら一つ一つがノウハウです。
そして、列車を走らせるのはオーナーの責任です。レールがある以上、そして、その上に乗っかっている列車である以上、自分の気持ちとは関係なく、決められたとおりに列車を走らせなくてはならないのです。

しかし、残念ながら、その辺りの基本的なことを無視してしまっている事例があちこちで散見できます。上記のような問題はその表われでしょう。

ヤマイエが思うに、本部は、『オーナーの多くは、生活(あるいは人生)を賭けているのだ』という認識をもっと持つべきだと思います。『オーナーに突っ込まれないように・・・』と、小手先の理論構築ばかりに腐心して肝心の売上が伴っていないというケースが目立ちすぎではないでしょうか。
また、オーナーは『フランチャイズという枠の中での事業なんだ』という認識を忘れてはいけません。売上不振の場合の選択肢は、『それでもそのチェーンで頑張る』か、『チェーンから脱退(解約)する』のどちらかしかありません。
これらの認識をしっかり持ち、実行することで、信頼感が生まれ、フランチャイズが発展するのだと思います。

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