コンビニ駐車場でラーメン屋

そのオーナーの前職は、超優良企業のエンジニアでした。
それも、外国での事業立ち上げを任されるほどのエリートです。
前職を辞める前、彼の年収は約900万円。
海外赴任を経験した彼に、会社は1200万円の年収を提示していたといいます。
その彼が、1200万円の年収を蹴ってまでコンビニのオーナーになったのは、友人からの強い誘いでコンビニの加盟説明会に参加したのがきっかけでした。
最初は、『付いて行くだけ』と思っていたのに、『超優良立地の物件がある』との開発マンの言葉にほだされ、その友人とともにコンビニを開業したのです。
しかし、思惑とは裏腹に店の売上は思ったほど伸びず、共同経営は1年を待たずに破綻してしまいました。
他の仕事を見つけて友人が去っていった後も、彼は一人で店を運営していました(当時は今と違い、一人での経営がゆるされていました)。

しかし、売り上げはなかなか上がってきません。

 『自分は、1200万円の年収を蹴ってこの商売を始めたのに』
 『超優良立地じゃなかったのか!?』
 『SVのあの態度は何だ!』

イライラを募らせていたある日、今度は同一車線上の上手に同じチェーンのコンビニが開店することになりました。
同一チェーン同士の競合です。

 『うちがこんな状況なのにふざけるな!!』

オーナーの怒りは収まりません。
本部とも相当もめましたが、出店が取りやめになるはずもなく、新店がオープンしました。

売上は当然下降していきます。

 『本部がその気ならもういい。』
 『自分の食い扶持は自分でなんとかする。』

こうして、オーナーは人づて聞いていたラーメンチェーンに加盟することにしたのです。
そのチェーンは、軽トラックを利用した屋台形式で、営業する場所を確保しなければなりません。ラーメンチェーン本部の薦めだったのか、オーナーの判断だったのかは不明ですが、なんと自分が経営するコンビニの駐車場でラーメン屋を開業したのです。当然ながら、多くの許されざる問題をはらんでいます。

 ×土地の賃料は本部が支払っています。
 ×コンビニ営業という前提で土地を借りています
 ×水道はコンビニの水道から引っ張ってきています。
 ×電気もコンビニのコンセントから引っ張ってきています。
 ×アルバイトもコンビニのアルバイトを働かせています。
 ×しかも屋台内でコンビニのユニフォームをしっかり着用しています。

あっという間に噂が広まりました。
 『○○店のオーナーが駐車場でラーメン屋をやってる。』
 『やってもいいの?』
いたるところで話のネタにされて、すぐに本部の知るところとなりました。本部内は大騒ぎです。
『なんで駐車場でラーメン屋やってんだ!』
『SVは店に行って何見てるんだ!』
『他の店が真似したらどーするんだ!』
駐車場でラーメン屋やってんだぞ!

ちなみに、SVがすぐにわからなかったのは、営業時間(19時頃〜翌4時頃)以外は、トラックを駐車場から移動させていたからだそうです。

これは本来、看過できない重大な契約違反です。本部は契約解除すべく対応をしていましたが、本部側にも解除できない事情が発生したため、オーナーがラーメン屋をやめることで話がまとまりました。オーナー、ラーメンチェーン本部を交えて、丁々発止のやりとりをしたようです。

ちなみに、そのラーメン屋を営業している2〜3ヶ月間、月90万円程度の収入が入ってきていたとのこと。
オーナーは今でも『あのラーメン屋は儲かった。』と言いながら同じ場所でコンビニ経営を続けています。
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